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    古書・古本 あんふぃに メールマガジン
        2004/8/20 No.1 (創刊号)
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  目次
       - 新着情報  7点
       - 在庫本紹介 森開社
       - 本の記憶  「白い夏野」(1)
       - お勧めの本 「果てしなき饗宴」と「小説の精神」
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【新着情報】
 目録への追加が遅くてすみません。ようやく7点追加しました。

<日本文学 句集>
・「赤尾兜子全句集」\6,500- 立風書房 1982 初版 AA 函、帯、
栞(陳舜臣、眉村卓、吉岡実、高柳重信)

<日本文学 小説>
・唐十郎「ジョン・シルバー」\7,800 天声出版 1969 初版 A
カバー、帯。 装本・挿画 横尾忠則、序文 瀧口修造

・唐十郎「少女と右翼 満州浪人伝」\900 徳間書店 1972 初版 B
カバー、帯。  カバー背の上部が少し破れています。

・塚本邦雄「紺青のわかれ」\3,800- 中央公論社 1972 初版 B 函 
              本体の背の上下に多少のつぶれ。
  短編小説集。毛筆書名。

・塚本邦雄「空蝉昇天」\7,800- 季節社 1975 A 限定500部 函
  瞬編小説集。挿画は柄澤斎の小口木版

・森茉莉「贅沢貧乏」\1,000- 新潮社 1963 初版 B 函、帯 
背ヤケ。

・石川淳「六道遊行」\1,500- 集英社 1983 初版 AA 函、帯
  長編小説。

【在庫本紹介】
*開店時の目録から森開社の本をご紹介します。
 森開社は、上品な装丁でとても洒落た本を刊行していました。
 70年代の或る面を象徴する出版社といえるでしょう。

・ユルスナル「火」
多田智満子訳 1974年11月25日発行 初版1000部
  ユルスナル32歳、1936年作の小説。
  箱はやや焼けていますが、もともとグレーですからあまり気に
  ならないとおもいます。それ以外は極美です。

・ベルレーヌ「女友達」
窪田般彌訳  1974年5月30日発行 初版800部
1867年末、ブリュッセルにおいて匿名で刊行されたベルレーヌ
  第2詩集「女友達」の全訳。
  ダンボールの函の傷みも少なく、極美です。

・レオン・ブロワ「ヴィリエ・ド・リラダンの復活」
田辺貞之助訳 1976年5月20日発行 1000部限定記番
本文二色刷 貼函 元パラ(一部破れ)
表題作と「メドゥーサ」の2編の評論を収める。
ヤケも無く、極美。

その他、森開社本としては、以下のものをストックしています。
現在整理中のため目録にはまだ掲載していませんが、なるべくはや
く載せるようにします。

・モーリス・ロリナ「腐爛頌」
・コクトー「フランソワの薔薇」
・コクトー「白書」
・シュオブ「少年十字軍」
・ローデンバッハ「鏡」
・ノディエ「スマラ または夜の悪魔たち」
・シャミッソー「影を売った男」
・サマン「青き眼の半獣神」
・雑誌数冊

【本の記憶】
高屋窓秋句集「白い夏野」のこと(1)

硝子戸付きの木製書棚のちょうど目の高さのあたりの棚の中央にそ
っと置いておき、深夜、ときおりとりだしてページをゆっくりと繰
りたい本。「白い夏野」。

いまは手元にないため奥付を見てたしかめることはできないが、
「高屋窓秋全句集」の著者自身のあとがきによれば昭和11年(1936
年)の発行で限定350部とのこと。出版社は龍星閣。
私が入手したのは、おそらく70年代のはじめのころのはずである。

高屋窓秋の名をどのように知ったのか、おそらく当時の文学好きな
人間がたどる平均的なコースだったと思う。歌人の塚本邦雄から入
り、現代短歌=塚本邦雄にたいし、現代俳句=高柳重信という図が
頭の中にできあがっていた。そして高柳重信から、昭和初期の新興
俳句運動の富沢赤黄男、渡辺白泉、高屋窓秋へと辿っていった。な
かでも、高屋窓秋がもっとも印象深かった。しかし、高名な句、

頭の中で白い夏野となつてゐる

のほか数句しか知らず、第一句集「白い夏野」をどうしても入手し
たいという欲求が強まるばかりだった。もちろん、神田の古書店を
まわったり、デパートで開催される古書即売会に行ったりというこ
とはいつもしていたが、それをみつけることはできなかった。どれ
くらいの期間、探しつづけたか、何ヶ月という時間だったか。大塚
駅からしばらく歩いたところに句集専門の古書店があり、ここは定
期的に覗く店のひとつだったが、ついにある日そこで硝子ケースの
なかに発見したのであった。    (この項、次号につづく)

参考文献 
「高屋窓秋全句集」 1976年 ぬ書房 
「現代俳句の世界16 富澤赤黄男 高屋窓秋 渡邊白泉 集」 
          1985年 朝日文庫(朝日新聞社)

【お勧めの本】
小説論として、バルガス・リョサ「果てしなき饗宴」(筑摩叢書)
とミラン・クンデラ「小説の精神」(法政大学出版局)。とくに前
者は面白くて一気に読んでしまう。小説論や文学論ではなかなかこ
ういう刺激的な本は無い。実作者としての、小説の本質に対する考
察、そして、ともに古典へと目を開かせてくれる。「果てしなき饗
宴」は「ボヴァリー夫人」、「小説の精神」は「ドン・キホーテ」。
それでどうしたと言われると困るが。文学は無用の用。興味があれ
ば、ぜひご一読を。

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【後記】
大塚の句集専門(歌集も扱っていたかも)古書店の名前が思い出せ
ず、古書店地図帳で調べたが、あるはずの場所に無い。店を閉じて
しまったのか、場所を変えたのか。さっそく現地に行ってみたがつ
けることができず、店があったと思われる場所も大塚五丁目の交差
点の手前だったか先だったかも思い出すことができなかった。この
店について何か消息をご存知のかたはぜひご一報ください。
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